温かいなあーもう春みたい。肌にあたるこの風の温度を感じる度にあの5年前を思い出して頭の奥底が締めつけられて、どこかから飛び降りような衝動に駆られる。何故、今わたしがこうしているのか、繰り返しすぎてもう今更何の答えも出ないことが自明な問いを繰り返すだけ。何故、何故、
たぶん、過去を慈しんでいるわけでも縋っているわけでもなくて、ただ、ただ、あの頃のように、何にも囚われずにいたいだけだ。そして今のわたしを解き放ちたいだけ。