without you

今朝、母からのメールで目が覚めました。「トムが亡くなった」と。
もうここ数日、ごはんが食べれなくなっていたようで、それでもボケてしまっているせいで凄く暴れていたらしく、父が、その様子があまりにも可哀そうだから安楽死させたらどうかという話までしていたところでした。
わたしは、安楽死なんて、ただでさえ人間のエゴで飼われている犬の命を強制終了するようなそんな仕打ちをするなんてどんなに心の無い行為なんだろうと強く反対していたけれど、今思うと、間近でそんな状態のトムの様子をずっと見ていた父と母はどんなにつらかったのだろう、と思います。
昨晩は立ち上がることも出来なくなっていて、もうそろそろ駄目だろうなと思った母が、自分の布団に一緒に入れてあげたら、朝眠ったまま亡くなっていたそうです。きっと安心したんだろうね。昔からいつも母の布団に入って眠りたがるトムでした。


眠っているようにしか見えないのに、髪の感触もすやすや眠る表情もいつも通りなのに、なんでこんなに体がつめたいんだろう。不思議で仕方がない。
今まで一番世話をして一番長くそばにいた母は、明日になったらもう形が無くなって触れられないからといって、ずっと膝の上に乗せて抱きしめていました。
わたしも、だっこして抱きしめていつものように匂いを嗅ぎたいとおもったけれど、触れた体の冷たさと硬さが怖くて、抱きあげたら壊れるんじゃないかと思って、できませんでした。思いだすのはあの柔らかい温かさとシャンプーの香りばかり。もうここにはない。二度と感じられない。


わたしの思春期〜青年時代の時間をともに生きてくれてありがとう。いつもいじめてばかりでごめんね。自分勝手にばかり扱ってごめんね。
トムが死んだらわたしは後悔ばかりするのだろうなと思っていたけれど、やっぱりその通りでした。想像よりはるかに寂しくて悲しいです。自分が考えていたよりずっと、きみは、わたしたちの家族の一員で、大きな存在で、わたしの可愛い弟でした。


一人になるのが嫌いで、めちゃくちゃ寂しがりやで、つねに誰かの膝の上にいたきみは明日から少し寂しいかもしれないけれど、皆ずっときみを想っているから、安心して眠ってください。


14年間、ありがとう。大好きだよ